すっごい長いから結論だけ書くと今はわんぱくです。
〇経緯
1999年発売のポケットモンスター金・銀において、新たに導入された時間(昼夜)およびなつき度の概念のプロパガンダとして、新たにイーブイの進化先の一つとして登場したブラッキー。
攻撃面の種族値は攻撃が65、特攻が60とどちらもかなり低い部類だが、技毎に物理と特殊が分かれた4世代においては、その耐久を前面に押し出しつつ"のろい"を積み"ふいうち"や"しっぺがえし"といった便利な効果を持つ物理技を攻撃技として採用されていた。
その後、5世代でのふいうち没収やイカサマを習得したことにより、攻撃へは努力値を割かずにイカサマ1ウェポンで戦う方が主流となる。
自身の攻撃能力値を必要としないことに加え、6世代までの環境では相手を混乱状態にする強力な技"いばる"の採用も多かったことから、5世代後期~7世代においては攻撃下降補正となる"ずぶとい","おだやか"で性格が統一されていた。
しかし8世代で状況が変化。
7世代においていばるの弱体化がなされ混乱自傷のケースが大幅に減ったこと、新たに導入されたダイマックスのシステムでブラッキー自身の攻撃力が影響するケースが生じたことから、その性格について様々意見が分かれるようになった。
本記事では攻撃下降補正と特攻下降補正をいかに使い分けるか整理しまとめるものである。
なお、あくまでも主にシングルルールで使用されるイカサマ1ウェポンの型に関する考察であり、ほかに攻撃技を採用する場合はこの限りではない。
〇A実数値が影響する場面
ことの発端。
イカサマはダイマックス技の参照元としてはただの威力95の物理技扱いであるため、ダイアークは威力130の物理技となり、ブラッキーの攻撃能力値でダメージ計算が行われる。
ダイマックスすることで、耐久が上がったり一撃必殺が無効になったり怯みが無くなったりといった防御面での強化,相手が特殊アタッカーの場合イカサマよりも火力が出る攻撃面での限定的な強化が見込める。
ダイマックス3ターンの間に倒せる主な仮想敵は下記のとおりである。
対H4ドリュウズ:確定3発41.9~50%
対H252ロトム:乱数3発32.4~38.2%
対H252トリトドン:確定3発38.7~45.6%
対H252ジュラルドン:乱数3発33.1~39.3%
・混乱しているとき
こんらん状態のとき、1/3の確率で自身を威力40の物理技で攻撃する。剣盾環境での混乱はせいぜいペリッパーの"ぼうふう"の追加効果や、カイリキーの爆裂パンチの追加効果くらいであろう。あまり意識する必要はない。
・わるあがきになった場合
PPが無くなるなどで打てる技がない状態で打てる技わるあがきは威力40の物理技でダメージ計算を行い、攻撃能力が影響する。ただしその状況になったら反動ダメージが大きくてどうしようもないことが多い。
・ちからをすいとる
相手の攻撃実数値分のHPを回復する技なので、攻撃が低いほど相手の回復量を減らせる。が、使用者のほとんどはブラッキーを突破する火力を持たないため有利不利に影響しない。
・パワーシェア
対戦で見たことないです。
・相手もイカサマ持ち
7世代ではイカサマをメインウェポンとする種族の使用率が低く気になる場面はなかったが、8世代では一定数いるブラッキーやバルジーナ、まれにロトムやオーロンゲで採用されている。
悪タイプのブラッキーは半減で受けられるため、影響する場面は限られる。
〇で、どっち?
前段で述べた影響するケースのうち、考慮するほどの機会があるといえる自身のダイマックスと相手のイカサマの2つについてもう少し考えよう。
まず、ダイマックスについて。わんぱくの採用理由である。
これは一見メリットが大きいようにも思えるが、3発すべて通る前提でありつまり仮想敵との対面で即座に使うものではなく、こちらがダイマックスを温存し相手はダイマックスを消費したラスト1体同士という状況で初めて活きるものである。
決して特別物理耐久が高いわけではない等倍の相手がようやく3発で倒せるというのは、裏に積みエース残っている場合は起点にされるなど、安易に使えない代物と言えるだろう。
(ダイウォールが必要という理由で早い段階でブラッキーでダイマックスするということもあるだろうが、この理由ならば攻撃能力は戦局に影響しないはずである)
一撃必殺無効や怯み無効といったメリットはブラッキーに限った話ではないため、あえて火力に乏しいブラッキーでダイマックスを使う≒詰め筋を誤っている可能性があり、弱い動きであることを頭に入れておきたい。
私がわんぱくでの採用を見送っているのはこういった理由である。
次にイカサマについて。ずぶといの採用理由である。
基本的にはブラッキーに対してほとんどダメージが見込まれないわけだが、
これがブラッキーミラーの泥仕合となると話が変わる。どちらかが挑発のゴツメ持ちだったりすれば決着は見えているのだが、どちらにも挑発がない場合や挑発持ちの方がすばやさが遅い場合は泥仕合になり、それまでの消耗具合で勝負がつくことになる。
イカサマを撃つ回数が増えれば塵も積もるものである。イカサマは最大でPP24。
攻撃実数値85の被ダメは12〜15,攻撃実数値63の被ダメは9~12となり、平均で72,最大で144もの差が生まれる。
ミラーでPPの消耗戦をする中で、願い事1回分のダメージで勝敗が変わることはままある。ちなみに挑発持ちゴツメなしが後攻だと一方的有利になれない理由は一番下に記載しておく。
〇結論
欠伸採用のテンプレブラッキーはずぶとい、
挑発採用やゴツメ持ちはわんぱくを推奨する。
が、想定される場面が少なく正直好み。(結論それかよ)
※この記事は剣盾シーズン1中に書き始めたのでシーズン2での総合時間制に関して考慮できていない。対イカサマ持ちのダメージに関してはPPが切れる前に時間が無くなるので、現在(2020年1月)はわんぱく一択。これが結論。
この他、バトンパではブラッキーがバトン終点となる可能性があり、その場合より対面性能を高めるために必ず攻撃実数値85を確保するべきである。
ダブルの場合はほぼ100%ダイマックスしないのでバークアウトのダメージを少しでも増やすために攻撃に下降補正をかけよう。
スカーフブラッキーとは…?
〇おまけ ブラッキーミラー
想定:互いにHP,PP全快
先行H244B220S44 イカサマ/あくび/願い事/守る 食べ残し
後攻H252B236S20 イカサマ/挑発/願い事/守る 食べ残し
イカサマは最大PP24なので挑発を8回入れればPPを枯らし悪あがきに持ち込める…
こう考えてしまった場合後攻側に負け筋が生まれる。(後攻側が極力挑発しなければまず負けない。)
後攻挑発の場合は、挑発が解けたターンに願い事での回復が可能になるため、悪あがきは連続3ターンしか行われない。
この時先攻のイカサマのPPが切れた後こんな行動が繰り返される。
守る/願い事/悪あがき/悪あがき/悪あがき
この間、先攻のブラッキーが1サイクル毎に減るHPは以下のように計算される。
願い事+100,食べ残し12x5=+60,悪あがき反動50x3=-150,イカサマダメージα or b x3
=10-3α,b
α=9~12(攻撃実数値63の場合)
b=12~15(攻撃実数値85の場合)
=-17~-26,-26~35
これが後攻のイカサマのPP24が尽きるまで繰り返されるので8サイクル。
先行ブラッキーのHP201を8サイクルで削りきるには、201÷8=25.125のダメージ期待値が必要になる。
もし倒しきれなかった場合、α,b=0となるので回復が間に合う計算となり、逆に先攻は悪あがきを8サイクルの間使い続けたことでPPの消費が抑えられ、後攻が先に4つの技すべてのPPが尽きる。
上記は単純計算で、実際には1発目の悪あがきまでにHP59~65残っていないと願い事の回復が間に合わず、PPフル想定でもやはり後攻が有利である。
実際にミラーが発生する状況では互いに消耗している可能性が高いため、この机上論そのものは意味を成さないが、攻撃実数値85ではまず勝ち筋が残っていないのが分かるだろう。